シミュレーションの品質は solver の前から決まります。同じ CAD でも、ユーザー、使用環境、荷重経路、温度、失敗モードによって条件は変わります。そのため、有効な CAE ワークフローは CAD アップロードだけでなく、製品ブリーフから始まります。
判断質問から始める
「構造解析してください」では条件が曖昧です。「15kg の荷重でこのハンドルはたわみすぎないか」「30分連続使用でバッテリー周辺温度は許容範囲を超えないか」のように、判断できる質問へ変えます。
使用シーンを物理入力に変える
握る位置は拘束条件、落下高さは衝撃条件、屋外使用は温度や湿度の前提になります。ブリーフはストーリーを荷重、方向、時間、繰り返し回数へ変えるための資料です。
- 片手で持つ: 接触位置、力の方向、最大荷重。
- 車内で使う: 高温、振動、取り付け方向。
- 壁に固定する: ねじ位置、壁の剛性、締結部の応力集中。
- 落下の可能性がある: 落下高さ、衝突方向、材料の衝撃特性。
結果を見る前に失敗条件を決める
破損、過大変位、過熱、締結ゆるみ、組立干渉などを先に定義すると、結果を判断しやすくなります。赤い領域を見るのではなく、製品判断を妨げる failure mode を確認します。
材料と製造方式を仮定する
初期段階では材料が確定していないこともあります。それでも ABS 候補、アルミ 6061 仮定、SLS ナイロン試作、最終は射出成形予定など、仮定を明示する必要があります。
最初の解析範囲は小さくする
最初から製品全体を完全に解析するより、ヒンジ、締結部、放熱フィン、バッテリー周辺など、最も不確実な領域から始める方が判断しやすくなります。
RHXY は Plan のブリーフを Sim の load case、boundary condition、material assumption、report output へつなぎ、同じ条件をチームで確認できる流れを目指します。